税務調査官がお客として潜入⁉内観調査とは⁉ 1

石塚

飲食店やキャバクラ等のサービス業を調査する際、必ずと言っていいほどに行われる調査手法の1つが‘内観調査’です。本日は内観調査について、元国税局調査官の石塚が意識高めにお話します!

内観調査とは?

内観調査とは飲食店やサービス業等の店舗型業種の税務調査の前に、国税調査官がお客としてお店に潜入する調査のことで、現金商売(現金による売上が多い商売)の調査ではほぼ確実に行われる手法です。
古くからある手法ですが、効果が高いため今でも頻繁に行われています。
筆者も国税局に勤務していたときはバーや中華料理屋、キャバクラ等々。。。様々な場所に内観調査に行きました。ばれないように普通のお客さんを装って行くのですが、職業はもちろん、名前や人間関係まで架空の設定を作っていました。下手な調査官でなければ、普段の仕事をしながら気づくのは難しいでしょう。

なぜ内観調査をするのか

内観調査を行う目的は、大きく分けて3つあります。
1.調査するお店の状況把握
2.推計情報の収集
3.現金の投入による売上調査のまき餌

まず①については、現金商売の調査は無予告で行うことが多いので、事前のシミュレーションが非常に大切となります。
店の入口は?裏口の有無は?お金はどこに保管しているのか?」など、着手当日に首尾よく動けるように調査官は店内の状況を頭に入れておかなければいけないというわけです。

次に②について、税務署が最も欲しい推計情報(=計算の手がかり)はズバリ、売上についてです。
つまり、「売上が通常いくらぐらいあるのか?」といったおおよそのアタリを付けるために、店のキャパ(席数)や回転数客単価などをお客のふりをしながら頭の中で数えて、1日の売上を推測するわけです。

最後に③については、言わずもがなですが、調査当日に売上がちゃんと計上されているかをチェックするために、事前に売上金を入れておくという手法です。
お客としてきた調査官は、事前に支払うお札の番号を控えていることが多く、売上が載っていなかった場合は、お金の行き先を追われることになります…。


石塚

ここまで読んで頂きありがとうございました。
今日は内観調査の目的を中心にお話していきました。次回は、内観調査が売上除外の発見に効果的に役立つケースを事例形式でご説明いたします!

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