会社は解散すべき?休眠すべき?違いとメリット・デメリットを比較

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事業を続けることが難しくなったとき、多くの経営者が悩むのが「会社を解散すべきか、それとも休眠させるべきか」という選択です。
どちらも「今は事業を止める」という点では共通していますが、法的な扱いや事業再開のしやすさには大きな違いがあります。判断を誤ると、想定外の税負担が生じたり、後から手続きのやり直しが必要になったりすることもあるため注意が必要です。
本記事では、会社解散と会社休眠の違いを比較し、それぞれのメリット・デメリットを解説します。
01.【比較】会社解散と会社休眠の違いとは

会社解散と会社休眠は、目的や前提が大きく異なります。
法人を完全に終了させるのか、将来に備えて存続させるのかという視点から、基本的な違いを確認しておきましょう。
| 項目 | 会社解散 | 会社休眠 |
|---|---|---|
| 法人格 | 消滅する | 存続する |
| 事業活動 | 完全に終了 | 一時的に停止 |
| 主な手続き | 解散登記・清算手続き・清算結了登記 | 異動届けの提出(「事業休止」などの理由を記載) |
| 費用 | 登記費用・公告費用・専門家報酬などが必要 | 原則ほぼ不要 |
| 維持管理 | 発生しない | 税務申告・最低限の管理が必要 |
| 税務申告 | 不要(清算結了後) | 原則毎年必要 |
| 再会のしやすさ | 新会社設立が必要 | 比較的容易 |
会社解散とは
会社解散とは、法人としての活動を終了し、清算手続きに入ることを指します。
株主総会で解散決議を行い、解散登記をした後、債権・債務の整理や残余財産の分配を経て、清算結了登記を行うことで、最終的に法人格は消滅します。
一度清算結了が完了すると、その会社は法律上存在しなくなるため、将来的に事業を再開したい場合は、新たに会社を設立し直す必要があります。
会社休眠とは
会社休眠とは、法人格を残したまま事業活動を停止している状態を指します。
会社休眠にあたっては、事業活動を停止したうえで、税務署や自治体へ異動届(事業休止・営業停止・休業・廃止等)を提出するのが一般的です。
会社名や法人格、許認可などは維持されるため、将来的に事業を再開する可能性がある場合に選ばれることが多い選択肢です。ただし、事業を行っていなくても、一定の税務・登記上の義務は残ります。
02.会社解散・会社休眠それぞれのメリット・デメリット

会社解散と会社休眠には、それぞれ異なるメリットとデメリットがあります。
会社解散のメリット・デメリット
会社解散は、法人を完全に終了させる選択です。将来的な再開はできなくなる一方で、会社を維持するための義務やコストをすべて解消できるメリットがあります。
長期的に事業を行う予定がなく、経営上の区切りを明確にしたい場合に検討されることが多い方法です。
【メリット】
- 税務申告や登記義務から解放される
- 維持コストが発生しない
- 経営上の責任関係を整理できる
【デメリット】
- 清算費用や専門家報酬がかかる
- 再開する場合は新会社設立が必要
- 手続きに一定の期間と手間が必要
会社休眠のメリット・デメリット
会社休眠は、法人格を残したまま事業活動を一時的に止める選択です。
将来の再開を見据えつつ、いったん経営を立ち止まりたい場合に適していますが、一定の管理義務は残る点に注意が必要です。
【メリット】
- 将来的に事業を再開しやすい
- 法人格や社名を維持できる
- 解散費用がかからない
【デメリット】
- 原則として毎年の税務申告が必要
- 登記を放置すると「登記懈怠」のリスク
- 金融機関や取引先との関係維持が難しくなる場合がある
03.解散と休眠はどちらを選ぶべきか?判断ポイント

解散と休眠のどちらが適しているかは、会社の現状だけでなく、将来の見通しや経営者の考え方によって異なります。
解散を検討した方がよいケース
会社解散は、法人としての役割を終え、経営上の責任や義務を整理する選択です。とくに「今後使う予定がない会社」を持ち続けることが負担になっている場合に適しています。
今後事業を再開する予定がない
代表者が別事業や就職に専念し、法人を使う見込みがない場合など
維持コストや管理負担を完全に無くしたい
売上がない状態でも、申告対応や顧問料の負担が続いている場合など
債務関係や経営責任を整理したい
借入や契約関係を清算し、経営を一度リセットしたい場合など
休眠を検討した方がよいケース
会社休眠は、「今は事業を止めるが、将来の可能性は残したい」という場合に向いた選択です。一時的な事情によって事業を続けられないケースで多く選ばれています。
将来的に事業再開の可能性がある
市場環境や業界動向の回復を待って再開を検討している場合など
許認可や法人格を残しておきたい
再取得が難しい許認可を保有しており、法人を維持したい場合など
一時的な経営不振や体調不良などが理由
代表者の体調不良や家庭の事情で、一定期間事業から離れる必要がある場合など
まとめ

会社解散と会社休眠は、どちらも事業を止める選択ですが、法人格の扱いや将来の選択肢には大きな違いがあります。
実際には、「とりあえず休眠にしておこう」「事業をしていないから問題ないだろう」と自己判断で進めた結果、後からトラブルに発展するケースも少なくありません。選択を誤ると、想定外の税負担が生じたり、手続き漏れによって追加の対応が必要になったりすることもあるでしょう。
こうした事態を防ぐためには、判断の段階で税理士や司法書士など、専門家の視点を取り入れることが有効です。
当事務所では、「解散すべきか、休眠すべきか迷っている」という段階からのご相談も承っております。会社の状況に応じた選択ができるようサポートいたしますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
監修者
石塚 友紀 / 代表税理士
ライストン税理士事務所 代表税理士の石塚友紀と申します。
当税理士事務所では、記帳代行や申告書作成をするだけではなく、お客様にあった節税プランを積極的に模索、ご提案しています。
お客様の不安やお悩みを解消し、顧問税理士として一つひとつのご依頼に正面から向き合い全力でご支援させていただきます。
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