会社解散の流れをわかりやすく解説|手続きや清算の注意点

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会社を解散するには、「事業をやめる」と決めるだけでは完了しません。株主総会での決議や解散登記、債権者への対応、税務申告など、法律で定められた会社解散手続きを順番に進める必要があります。
しかし、「会社解散の手続きは何から始めればいいの?」「どのような流れで進めるの?」と疑問や不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、会社解散手続きの流れや必要書類、かかる費用、注意点をわかりやすく解説します。
01. 会社解散とは?基本を押さえよう

「会社を解散する」とはどのような状態なのか、その意味と基本的な考え方について整理しておきましょう。解散後に必要となる清算との違いも合わせて解説します。
解散とは「会社活動の終了」のこと
会社解散とは、法人としての事業活動を終えることを意味します。基本的に、株主総会で解散を決議するなど、会社法で定められた事由が発生することで会社は解散し、新たな営業活動は原則として行えなくなります。
ただし、解散したからといって、すぐに会社が消滅するわけではありません。解散後は、債権や債務の整理、財産の換価、残余財産の分配などを行うための清算手続きに移行します。
この清算手続きがすべて完了し、法務局で清算結了登記を行って初めて、法人格は正式に消滅します。
会社を解散する理由
会社が解散する理由はさまざまですが、大きく「任意解散」「強制解散」「みなし解散」の3つに分けられます。実務上は株主総会の決議による任意解散が最も一般的です。
任意解散とは、株主総会の特別決議などにより、会社の意思で解散するケースです。事業の終了や後継者不足、経営環境の変化などが主な理由として挙げられます。
強制解散とは、裁判所の命令や判決など、法律上の理由によって会社が解散するケースです。
みなし解散とは、長期間登記が行われていない会社について、会社法の規定に基づき解散したものとみなされる制度です。株式会社では、最後の登記から12年間登記がない場合などが該当します。
会社を解散するメリット
会社を継続する以上、たとえ事業をしていなくても、法人としての義務を果たさなければなりません。
たとえば、税務申告、役員変更登記、定期的な会計処理などです。これらの作業はコストも手間もかかるため、事業を続ける予定がない会社を放置しておくのは得策とはいえません。
正式に会社を解散すれば、こうした法的・税務的な義務から解放されると同時に、管理業務の負担もなくなります。
解散手続きと清算手続きの違い
「解散」と「清算」は混同されやすい言葉ですが、それぞれ役割が異なります。
- 解散=会社が事業活動を終了することを決定する手続き
- 清算=会社の財産や債務を整理し、法人格を消滅させるための手続き
解散とは、会社が今後事業を継続しないことを決定する手続きです。一方、清算とは、会社が保有する資産を現金化し、借入金や買掛金などの債務を弁済したうえで、残った財産を株主へ分配するまでの一連の手続きを指します。
会社は、解散を決議しただけでは自由に消滅できるわけではありません。もし手続きを経ずに会社がなくなってしまえば、会社にお金を貸している金融機関や取引先などの債権者が不利益を受けるおそれがあります。
そのため、会社法では、債権者保護手続き(会社法第499条)や債権・債務の整理などの清算手続きが定められているのです。これらの手続きが完了し、清算結了登記(会社法第929条)を行うことで、会社の法人格は正式に消滅します。
清算手続きは会社を適切に終了させるだけでなく、債権者や株主などの利害関係者を保護するためにも重要な役割を果たしています。
02.会社解散の主な手続きの流れ

ここからは、実際に会社を解散する際に必要となる具体的な手続きの流れを時系列でご紹介します。
- 株主総会の開催
- 株主総会で解散を決議
- 解散登記の申請
- 清算人の選任・登記
- 財産目録と貸借対照表の作成
- 債権者への公告・個別催告
- 解散事業年度の確定申告書の提出
- 財産の換価・債務の弁済・残余財産の分配
- 清算確定申告書と決算報告書の作成
- 清算結了の登記
- 各機関へ解散の届出
それでは、詳しい内容も確認していきましょう。
1.株主総会の開催
会社を解散するには、まず株主総会を開催します。株主総会の招集は会社法や定款の定めに従って行い、株主に解散について審議・決議してもらいます。
2.株主総会で解散を決議
株主総会では、会社解散について特別決議を行います。原則として、出席した議決権を有する株主の議決権の3分の2以上の賛成が必要です。
3.解散登記の申請
決議から2週間以内に法務局へ解散登記を申請します。これを怠ると、過料(罰金)の対象となることがあります。
4.清算人の選任・登記
通常は代表取締役が清算人となりますが、他の人物を選ぶ場合は別途登記が必要です。清算人は、会社の資産管理や債務の弁済、残余財産の分配など、清算手続き全般を担当します。
5.財産目録と貸借対照表の作成
会社の資産や負債の状況を明確にするため、財産目録と貸借対照表を作成します。これらは、その後の清算手続きを進めるための基礎資料となります。
6.債権者への公告・個別催告
官報に公告を出し、2か月以上の申出期間を設けます。また、判明している債権者には個別に通知し、債権を申し出る機会を設けます。
7.解散事業年度の確定申告書の提出
解散日までの会計期間について、法人税・消費税の申告を行います。通常の決算と同様、2ヶ月以内の提出が必要です。
8.財産の換価・債務の弁済・残余財産の分配
会社の財産を売却し、債務を返済します。その後、残った財産があれば、株主に分配します。
9.清算確定申告書と決算報告書の作成
清算後の損益をまとめ、清算確定申告と決算報告を行います。これにより、税務処理も完了です。
10.清算結了の登記
清算業務が完了したら、清算結了登記を申請します。これで会社の法人格は正式に消滅します。
こうした行政手続きも含めて、手間や不安を感じる場合は、専門家によるサポートを受けることで安心して進めることができます。
03.会社解散時に必要な届出・提出書類

会社を解散する際は、法務局での登記だけでなく、税務署などへの届出や確定申告も必要です。提出漏れを防ぐため、必要な書類を事前に確認しておきましょう。
異動届出書(解散届)
会社を解散した際は、税務署へ異動届出書(解散届)を提出します。提出期限は法令上明確に定められていませんが、解散後は速やかに提出することが望ましいとされています。
給与支払事務所等廃止届
従業員への給与支払いを終了する場合は、給与支払事務所等廃止届の提出が必要です。
役員報酬や従業員への給与の支払いがなくなる場合に必要となる届出であり、源泉所得税に関する事務を終了することを税務署へ届け出ます。
解散事業年度の確定申告
会社が解散した場合は、解散日までの事業年度について法人税や法人住民税、法人事業税、消費税などの確定申告を行います。
原則として、解散日の翌日から2か月以内に申告・納税を行う必要があります。
清算中の確定申告
清算手続きが1年以上続く場合は、清算中も各事業年度ごとに確定申告が必要です。
なお、解散日の翌日から1年以内に残余財産が確定し、清算が結了した場合には、清算中の確定申告が不要となるケースもあります。
異動届出書(清算結了届)
清算結了登記が完了した後は、税務署へ異動届出書(清算結了届)を提出します。これにより、会社の清算が完了したことを税務署へ届け出ます。
社会保険・労務関係の手続き
従業員を雇用している会社では、税務関係だけでなく、社会保険や労働保険に関する手続きも必要です。
例えば、健康保険・厚生年金保険の資格喪失届や、雇用保険の資格喪失届、労働保険の確定保険料申告など、状況に応じた届出を年金事務所やハローワーク、労働基準監督署へ提出します。
04.会社解散手続きにかかる費用

会社を解散する際には、登記費用や公告費用のほか、各種証明書の取得費用などが発生します。また、司法書士や税理士へ手続きを依頼する場合は、別途報酬も必要です。
登録免許税
会社解散に必要な登録免許税は、以下のとおりです。
- 解散および清算人選任登記:39,000円
- 清算結了登記:2,000円
合計すると、41,000円の登録免許税が必要になります。
報公告費用
会社を解散する際は、債権者保護手続として官報へ解散公告を掲載しなければなりません。
掲載料金は掲載内容によって異なりますが、約40,000円が目安です。
その他手続きの諸費用
登記事項証明書の取得費用や印鑑証明書の取得費用など、各種証明書の発行手数料が発生します。
また、会社の規模や運営状況によっては、株主総会の開催費用や郵送費などが必要となり、数万円から数十万円程度かかる場合もあります。
専門家への依頼手数料
会社解散の手続きを司法書士へ依頼する場合は、登記書類の作成や申請手続きを含めて8万円前後からが一般的な相場です。
また、法人税の確定申告や清算手続きを税理士へ依頼する場合も、8万円前後から費用が発生するケースがあります。
会社の規模や財産の状況、依頼する業務範囲によって報酬額は異なるため、事前に見積もりを確認しておくと安心です。
05.解散手続きの注意点とよくあるトラブル

会社解散の手続きには、登記や税務申告、債権者への対応など、さまざまな手続きがあります。
必要な手続きを漏れなく進めないと、過料や税務上のペナルティ、思わぬトラブルにつながる可能性もあります。
期限を過ぎると過料の対象に
会社解散後の登記は、原則として解散決議の日から2週間以内に行うことが義務付けられています。清算結了の登記についても、完了後は速やかに届け出る必要があるため、忘れず対応しましょう。
これらを怠ると、法務局から登記懈怠として過料(罰金のようなもの)が科されることがあります。
債権者対応を怠ると後々トラブルに
会社を解散する際は、官報への公告だけでなく、既知の債権者には個別に催告を行う義務があります。
これらの手続きを適切に行わないまま清算を進めると、後から未払い債務が判明し、清算手続きに影響を及ぼすおそれがあります。
税務申告も忘れずに
会社解散時には、解散事業年度の確定申告や、清算期間中の確定申告、清算結了後の届出など、複数の税務手続きが必要になります。
これらを期限内に行わないと、延滞税や加算税などが発生する可能性があります。提出書類や申告期限を事前に確認し、不安がある場合は税理士などの専門家へ相談すると安心です。
まとめ

会社を解散するには、株主総会での決議から解散登記、清算手続き、税務申告まで、さまざまな手続きを適切な順序で進める必要があります。
また、それぞれの手続きには期限が設けられているものも多く、対応が遅れたり必要書類に不備があったりすると、過料や税務上のペナルティなどにつながる可能性があります。
会社の状況によって必要な手続きや提出書類は異なるため、「何から始めればよいかわからない」「手続きを漏れなく進めたい」とお悩みの方も少なくありません。
当事務所では、会社解散に関するご相談から、登記・税務手続き・清算まで一貫してサポートしております。会社解散をご検討中の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
監修者
石塚 友紀 / 代表税理士
ライストン税理士事務所 代表税理士の石塚友紀と申します。
当税理士事務所では、記帳代行や申告書作成をするだけではなく、お客様にあった節税プランを積極的に模索、ご提案しています。
お客様の不安やお悩みを解消し、顧問税理士として一つひとつのご依頼に正面から向き合い全力でご支援させていただきます。
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