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税務顧問に関するコラム

2026.06.27 2026.06.27
税務顧問サポート

経営者が知っておくべき、車とお金に関するお話

経営者が知っておくべき、車とお金に関するお話

仕事で車を使う経営者にとって、車の購入費用や維持費は経費となるため、税金に関する正しい知識が不可欠となります。

また、リセールバリュー(売却時の価値)の高い車を戦略的に選ぶことで、節税額も考慮すると「高級車にほぼタダ同然で乗れる」という逆転現象が起こることもあります。
今回は、経営者が絶対に知っておくべき「車とお金」の関係について解説します。

01. 車と経費の関係について

①減価償却の仕組み

車を購入した際、その多額の費用を支払ったその年の経費として一括で全額計上することはできません。
税務上は「減価償却」というルールに基づき、その車の「耐用年数」に応じて数年に分けて少しずつ経費化していく必要があります。

車の価値は年々減少していくという考え方に基づくため、この仕組みを正しく理解することが車を使った節税の第一歩となります。

②定率法と定額法の違い

減価償却の計算方法には、大きく分けて「定額法」「定率法」の2種類があります。
定額法は毎年一定の「額」を経費にしていく方法ですが、定率法は未償却残高に対して一定の「率」を掛けて計算するため、購入した初期の年ほど多額の経費を計上でき、年々その額が減っていく仕組みです。

法人が車(車両運搬具)を購入した場合、「定率法」を適用すると、購入直後の節税効果が非常に高くなります。

③中古車の耐用年数について

減価償却を行う期間である「法定耐用年数」は、新車の普通乗用車であれば「6年」と定められています。

しかし、中古車を購入した場合は新車の耐用年数とは異なり、「簡便法」という特別な計算式を用いて耐用年数を算出します。
すでに経過した年数を考慮して計算するため、6年△経過年数が耐用年数となり、新車よりも短い期間で経費化することが可能になります。

④「4年落ちの中古車」が節税に最適な理由

節税の文脈で「4年落ちの中古車が良い」とよく言われるのには明確な理由があります。

簡便法で計算すると、4年落ちの中古車の耐用年数は最短の「2年」となります。
耐用年数2年の車に定率法を適用した場合の償却率は「1.0(つまり100%)」です。

そのため、事業年度の最初の月(期首)に購入すれば、なんと購入額の全額をその1年目の経費として計上することができるのです。
これが最大のメリットです。

02. その車、本当に「事業用」として認められますか?

①事業用としての使用が大前提

車を購入して経費にするうえで、絶対に外してはいけない大前提が「あくまで事業用として使っているか」という点です。

法人名義で購入したとしても、実態が伴っていなければ経費としては認められません。
取引先への訪問、現場への移動、従業員の送迎など、事業のために必要なツールとして車が機能していることが、税務上経費として認められるための絶対条件となります。

②プライベート使用時の経理処理(使用料と家事按分)

経営者が休日のレジャーや家族旅行など、プライベートでもその車を使用している場合は注意が必要です。
厳密には事業とプライベートの割合を分けなければなりません

法人であれば、プライベートでの使用分に相当する適正な「使用料」を個人から法人に支払うなどの処理が求められます。
個人事業主であれば、使用日数や走行距離などを基準に「家事按分」を行い、事業使用割合のみを経費にする必要があります。

③超高級車は税務調査で厳しく見られがち

フェラーリやランボルギーニ、ロールスロイスといった誰もが知る超高級車を購入した場合、税務調査において「単なる社長の趣味ではないか?」と非常に厳しい目を向けられがちです。

高級車であること自体が経費否認の理由になるわけではありませんが、一般的な事業用車両と比較して「なぜその車が事業に必要なのか」という明確な理由と、事業で使っているという客観的な証拠をしっかり提示できるようにしておく必要があります。

④過去の高級車と事業性が争われた判例

過去の税務訴訟の判例を見ると、イタリア製の高級スポーツカーなどの事業性が争われ、経費として否認されたケースは多数存在します。
否認されたケースでは、「同族会社であり個人的な趣味嗜好の色が濃い」「明確な使用実態の記録がない」といった点が指摘されています。

一方、過去の裁決事例の中には納税者の主張が認められ、フェラーリのような超高級車でも事業用資産として認められたケースも存在します
その事例では、社長が他に個人用の車を所有しており、事業用としていた車を通勤や支店巡回などの業務に限定して使用していたことや、詳細な走行記録が残されていた点が評価されました。

つまり、単に「高級車だから」という理由だけで経費性が完全に否認されるわけではなく、事業に必要である合理的な理由と客観的な証拠をしっかり準備できれば、経費として認められる余地は十分にあるのです。

03. 車選びの鍵を握る「リセール」について

①高級車の中に存在するリセールバリューの高い車

税金の計算に加えて、車選びでもう一つ重要な視点が「リセール(売却時の価値)」です。

車は購入した瞬間から価値が下がり続けるのが一般的ですが、一部の高級車の中には中古市場でも価格が大きく落ちない、リセールバリューの非常に高い車が存在します
数年乗った後でも高値で売却できる車を選ぶことが、トータルの出費を抑える大きなポイントになります。

②新車価格を上回る驚きの逆転現象

リセールの高い車を代表するのが、ポルシェ911やフェラーリ、ベンツのGクラスです。
これらの車は世界的に需要が高く、新車では手に入りにくい状況が続いています。

そのため、数年乗った後の中古車であっても価格が落ちないどころか、売却時の価格が「新車購入価格を上回る」という、驚きの逆転現象(プレミア価格)が起こることも珍しくありません。

04. 高いリセール+節税効果による恩恵

①実質30%以下の負担で高級車に乗れる仕組み

リセールの高い車を選択した場合、実際の負担額はどのようになるのでしょうか。
購入時に多額の経費を計上して税金を減らし、数年後に高値で売却するというサイクルを作ることで、節税額と売却額の恩恵をダブルで受けることができます

結果として、本来の車両価格の30%以下という非常に安い実質負担額で、憧れの高級車に乗り続けることができるケースがあります。
(※リセールの金額により変動します)

②購入額・減税額・売却額で考えるシミュレーション

具体例として、1,000万円の車を購入し、減価償却で全額を経費計上した後、購入価格の65%である650万円で売却できたとします(法人税率を35%と仮定)。

まず、1,000万円を経費にすることで、1,000万円×35%=350万円の税金が減ります
この時点で、手出しの1,000万円に対し、350万円の減税と650万円の売却収入があるため、相殺すると1,000万円の手出しが完全になくなったように見えます。

③売却時の税金を差し引いた最終的な実質負担額

しかし、ここで忘れてはいけないのが「売却時の税金」です。
減価償却によって帳簿上の価値が0円になった車を650万円で売却するため、この650万円は全額が法人の「売却益」となり課税されます。つまり、650万円×35%=約227万円の税金が発生します。

これらをキャッシュフローベースですべて合計すると、

△1,000万円(購入額)+350万円(減価償却による減税額)+650万円(売却額)△227万円(売却時の税金)=△227万円(実質負担額)

となります。

つまり、売却時の税金を含めても、1,000万円の高級車に実質227万円の手出しで乗れたという計算になるのです。

05. 個人事業主の場合の更なる節税効果

①個人事業主は売却時の計算方法が異なる(譲渡所得)

先ほどは法人のケースを解説しましたが、実は個人事業主の場合は車を売却した際の税金のルールが異なり、さらに大きな節税効果を得られる可能性があります

個人事業主が事業用の車を売却して得た利益は、毎年の売上(事業所得)ではなく、一時的な「譲渡所得」という区分で計算されるという大きな特徴があります。

②短期譲渡と長期譲渡の違い

この譲渡所得には、所有していた期間によって「短期譲渡」「長期譲渡」の2種類が存在します。

購入してから売却するまでの所有期間が5年以下の場合は「短期譲渡」5年を超えてから売却した場合は「長期譲渡」となります。
税務上、長く所有していたものを売却した際の「長期譲渡」の方が、より税金が安くなるように優遇された仕組みになっています。

③5年超の所有で適用される有利な計算式

5年を超えて乗った車を売却し「長期譲渡」に該当した場合、非常に有利な計算式が適用されます。

具体的には、

(売却額 - 特別控除50万円)× 1/2

という式で課税対象額が算出されます(帳簿価額が0円の場合)。

まず利益から50万円を無条件で差し引くことができ、さらにその残りの金額を「半分(1/2)」にした額にしか税金がかからないという、圧倒的な優遇措置です。

④個人事業主の方が事業用車はお得になる理由

先ほどの「1,000万円の車を650万円で売却した例」を個人事業主の長期譲渡に当てはめてみましょう。

分かりやすくするため、個人の税率(所得税・住民税など)を法人例と同じく35%と仮定して計算します。

売却による課税所得は、(650万円-50万円)× 1/2 = 300万円となります。
この300万円に対して35%の税金がかかるため、売却時の税金は「105万円」となります。

これらをすべて合計すると、

△1,000万円(購入額)+350万円(減税額)+650万円(売却額)△105万円(売却の税金)=△105万円

となります。

法人の場合は実質負担が227万円でしたが、個人事業主であれば実質105万円の手出しで1,000万円の高級車に乗れたという計算になるのです。
そのため、出口戦略まで含めると、個人事業主の方が事業用の車はお得になるケースが多いと言えます。

まとめ

経営者にとって、車とお金に関する正しい知識を持つことは非常に重要です。

単に「経費で落とす」という税金の計算だけでなく、出口戦略である「リセール」も考慮した車選びを行うことが、キャッシュを会社に手厚く残すための賢い選択の必須条件と言えます。

ライストン税理士事務所では、日々の税務申告だけでなく、今回のような車を使った節税スキームや資金繰りのアドバイスなど、経営者の目線に立ったご提案を得意としております。

信頼できる顧問税理士をお探しの方は、ぜひお気軽にライストン税理士事務所へお問い合わせください。

EDITOR

監修者

石塚 友紀

石塚 友紀 / 代表税理士

ライストン税理士事務所 代表税理士の石塚友紀と申します。
当税理士事務所では、記帳代行や申告書作成をするだけではなく、お客様にあった節税プランを積極的に模索、ご提案しています。
お客様の不安やお悩みを解消し、顧問税理士として一つひとつのご依頼に正面から向き合い全力でご支援させていただきます。
税務のことでお悩みの方、顧問税理士をお探しの方は是非一度、ライストン税理士事務所へご相談ください。

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