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無申告の決算・申告サポートに関するコラム

2025.08.10 2025.09.23
無申告サポート

無申告でも税務調査は来る?知らないと損するリスクと対策を徹底解説

無申告でも税務調査は来る?知らないと損するリスクと対策を徹底解説

「確定申告をしていないけど、何も言われていないし大丈夫だろう」と、ついそのままにしていませんか?

たとえ申告をしていなくても、税務署はあなたの収入や活動を把握している可能性があります。無申告だからといって放置していると、ある日突然「税務調査」の通知が届き、高額な追徴課税やペナルティを受けることも。

本記事では、無申告でも税務調査が行われる理由やそのリスクについて、わかりやすく解説します。

無申告でも税務調査される可能性はあるのか

結論から言うと、無申告でも税務調査の対象になる可能性は十分にあります。「申告しない=気づかれない」と考えるのは非常に危険です。

無申告とは?税務調査では何が行われるのか

無申告とは、確定申告の義務があるにもかかわらず、申告をしていない状態を指します。個人事業主やフリーランス、副業収入が20万円を超える会社員など、本来申告が必要な人が対象です。

税務署は、そうした人に対して適正な申告がされているかを確認するため、税務調査を行います。調査には、大きく分けると事前通知の上で行われる「任意調査」と、裁判所からの令状により行われる「強制調査(査察調査)」の2種類があります。

いずれも帳簿や資料を確認し、収入・支出・申告内容に不正がないかを調べるのが目的です。

税務署は何を見ているのか

税務署は、無申告者の存在を把握するために、さまざまな情報ネットワークを活用しています。

たとえば、報酬や料金、地代家賃などに関する支払調書は、企業側から税務署に提出される仕組みになっており、取引記録や契約情報を通じて収入の有無を確認することが可能です。

さらに、必要に応じて銀行口座の入出金履歴やクレジットカードの利用状況、仮想通貨の売買・送金履歴なども調査の対象となります。

>関連記事|無申告はなぜバレる?

税務調査の対象になりやすいケース

すべての無申告者がすぐに調査を受けるわけではありませんが、次のようなケースは特に注意が必要です。

たとえば、高額な収入があるにもかかわらず申告していない場合や、取引先から支払調書が提出されているのに申告がない場合などは、税務署に把握されやすい傾向があります。

さらに、税務署からの連絡を無視していたり、第三者から情報提供があったりした場合も、調査に発展しやすいでしょう。

無申告がバレたときのペナルティと影響

無申告が税務署に発覚した場合、ただ申告すれば済むというわけではありません。無申告が税務調査によって発覚し、その後に申告を行った場合、「無申告加算税」が課税されます。

これは、本来申告して納税すべきだった金額に対して課されるペナルティで、金額に応じて以下のように税率が異なります。

【無申告加算税の税率】

  • 50万円までの部分:15%
  • 50万円を超え300万円以下の部分:20%
  • 300万円を超える部分:30%

加えて、申告すべき期限を過ぎたことによる「延滞税」も発生します。延滞税は、納付期限の翌日から実際に納め終える日までの期間に応じて、1日単位で利息のように加算されていきます。

場合によっては、元の税額に加えて数十万円~数百万円単位の追徴になるケースもあり、決して軽視できません。

>関連記事|無申告加算税とは?

2024年改正で強化された無申告加算税と税務調査の現状

2024年1月からの加算税制度改正により、無申告に対する国の取り締まりはさらに強化されました。

加算税制度の改正で無申告のペナルティが大幅強化

従来の制度でも無申告加算税は課されていましたが、2024年からはさらに税率が引き上げられ、悪質なケースに対する制裁が一層厳しくなりました。

たとえば、300万円を超える無申告については、最大で30%の加算税が課されることとなり、金額によっては元の税額以上の負担になることもあります。

また、「仮装・隠ぺい」といった意図的な操作が疑われた場合は、「重加算税」が適用されることもあり、税率は40〜50%に達することもあります。

調査件数の増加が示す国の厳格な取り締まり姿勢

国税庁によると、無申告者への実地調査は令和5年度に5,000件以上実施され、年々増加傾向にあります。国は無申告を見逃さない姿勢を明確にしており、早めの対応がますます重要です。

その背景には、AIを活用したリスク分析や情報連携の強化があります。税務署は、申告漏れの可能性が高い納税者をデータから効率的に抽出し、調査対象を絞り込む体制を整えています。

さらに、CRS(共通報告基準)によって海外の資産情報も把握可能になっており、「海外に資産を移せばバレない」という考えは通用しません。

出典(調査件数):令和5事務年度「所得税及び消費税調査等の状況」|国税庁
参考(AI導入・CRS等):令和6年版「税務行政の現状と課題」|国税庁

無申告でも自分から動けば救済措置あり

「いまさら申告しても遅いのでは」と不安に感じている方もいるかもしれません。しかし、税務署から通知や調査が入る前に自主的に申告することで、ペナルティが軽減されます。

たとえば、税務署からの通知が届く前に期限後申告を行った場合、「無申告加算税」は一律5%に抑えられます。

さらに、通知を受けた後であっても、税務調査が始まる前に申告すれば、以下のように加算税の税率が軽減される措置が適用されます。

【税務調査前の自主申告】

  • 50万円までの部分:10%
  • 50万円超〜300万円以下の部分:15%
  • 300万円超の部分:25%

出典:国税庁「No.2024 確定申告を忘れたとき」

これらの特例は、税務署からの働きかけがない段階で自ら申告したことを前向きに評価する制度です。放置すればするほど負担は増していきますが、早めに行動すれば金銭的・精神的なリスクを最小限に抑えることができます。

まとめ

税務署はさまざまな情報ネットワークやAIを活用し、収入の有無を把握しており、無申告でも税務調査の対象になる可能性は十分にあります。

「どう対応すればいいかわからない」「過去の分も整理できていない」という場合は、無申告対応に強い税理士への相談が、安心と解決への第一歩です。

当事務所では、国税局出身の専門家が、申告の整理から税務署とのやり取りまで丁寧にサポートしています。不安な方は、どうぞお気軽にご相談ください。

EDITOR

監修者

石塚 友紀

石塚 友紀 / 代表税理士

ライストン税理士事務所 代表税理士の石塚友紀と申します。
当税理士事務所では、記帳代行や申告書作成をするだけではなく、お客様にあった節税プランを積極的に模索、ご提案しています。
お客様の不安やお悩みを解消し、顧問税理士として一つひとつのご依頼に正面から向き合い全力でご支援させていただきます。
税務のことでお悩みの方、顧問税理士をお探しの方は是非一度、ライストン税理士事務所へご相談ください。

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